7/13 勉強会

【研究報告】

担当:下門

タイトル:スイマー周りの流れの可視化

  • 背景:スイマーの推進メカニズムは不明であり、これまで動作や圧力を計測してきたが、非定常流体力を理解するためには流れを可視化することが不可欠である。流れの可視化手法を用いて回流水槽で実験を進めてきたが、回流水槽で観察された現象が屋内プールでも起きているのかは不明である。
  • 目的:本学屋内プールでの流れの可視化環境を構築する。
  • 方法:1名の大学競泳選手を対象に、PIV法(粒子画像流速計測法)を用いてスイマー後流を可視化するため、本学屋内プールにて実験を行った。
  • 結果:スイマー矢状面での流れ場計測に成功したが、計測領域が狭いことやスイマーが特定の領域を泳ぐスキルが求められること、特に一瞬で通過するスイマーの流れ場のデータが数枚しか撮れないという課題がみつかった。また、渦理論を用いることでスイマーが形成した渦の大きさから推力の大きさは計算することができた。

 

【文献抄読】

担当:鈴木

タイトル:Sex-Specific Influence of Quadriceps Weakness on Worsening Patellofemoral and Tibiofemoral Cartilage Damage: A Prospective Cohort Study

出典:Adam G Culvenor et al., Arthritis Care Res (Hoboken). 2019年10月

  • 目的:ベースラインにおける大腿四頭筋の筋力が,将来の変形性膝関節症 (膝OA) にどのような影響を及ぼすのか,膝OAのタイプと性別に着目して検証すること。
  • 方法:デザインは前向きコホート研究。ベースラインにおいて大腿四頭筋の等尺性最大筋力を,ベースラインと84ヶ月後に,MRIを用いて内外側PF (Patellofemoral) 関節・内外側TF (Tibiofemoral) 関節の損傷を評価した。そして,ベースラインにおける大腿四頭筋の筋力が84ヶ月後の関節の損傷にどのように影響するかを解析した。
  • 結果:ベースラインで大腿四頭筋の弱下が認められた女性は,84ヶ月後の外側PF関節のみ有意な損傷が認められた。男性の内外側PF関節では有意な損傷は認められなかった。また,男女ともに内外側TF関節では有意な損傷は認められなかった。
  • 結論:女性の大腿四頭筋の弱下は,将来の外側PF関節の損傷に関与する。