8/3 勉強会

【研究報告】

担当:平林

タイトル:噛みしめが運動パフォーマンスに及ぼす影響:脊髄機能評価を用いた検証

  • 目的:噛みしめ強度が脊髄運動制御機能や運動パフォーマンスに及ぼす影響を検討することとした.
  • 方法:実験を2つ実施し,健常成人20名を対象に,噛みしめ条件は実験1(0%, 12.5%, 25%, 50%MVC),実験2(no-bite, moderate, max) に設定した.計測は脊髄相反性抑制(RI),脊髄興奮性,足関節最大背屈課題を実施した.解析はRI(Ia相反抑制,D1抑制),脊髄興奮性(ヒラメ筋H反射),足関節最大背屈(反応時間,ピークトルク,筋活動比)を実施した.
  • 結果:噛みしめ強度増加に伴いRI減弱,脊髄興奮性増大,ピークトルク増加,筋活動比増加した.
  • 結論:<50%MVCの噛み締め強度では関節運動に適した噛み締め強度であり,≥50%MVCの噛みしめ強度では関節固定に適した噛み締め強度であった.

 

【文献抄読】

担当:渡部

タイトル:Attentional demands of postural control in chronic ankle instability, coper and healthy controls : A controlled cross-sectional study

出典:somayeh et al., Gait & Posture Volume 79, June 2020, Pages 183-188

  • 目的:片脚立位時の姿勢制御に着目し慢性足関節不安定症(CAI)群・coper群・健常群における視覚入力と認知課題が姿勢制御に及ぼす影響を明らかにする.
  • 方法:床反力計上で片脚立位時のCOPを1)開眼,2)閉眼,3)開眼+聴覚ストループ課題,4)閉眼+聴覚ストループ課題で測定した.
  • 結果:CAI群は健常群より姿勢動揺が有意に増加した.また,CAI群は認知機能が健常群とcoper群と比較して有意に低い.
  • 結論:CAI群は片脚立位時の姿勢制御と認知機能の低下が明らかとなった.CAI群の姿勢制御にはより大きな注意が必要であり,リハビリテーションも考慮する必要がある.