2/22 勉強会

【研究報告】

担当:山代

タイトル:アスリートの慢性痛が痛みへ注意とPPIに及ぼす影響

  • 目的:実験1において,アスリートの痛みに対してPVAQという質問紙を用いて調査することを目的とした.実験2において,慢性痛を持つアスリートの体性感覚誘発電位(SEP)と体性感覚皮質内抑制(PPI)について検討することを目的とした.
  • 方法:実験1では北信越地区の陸上競技選手215名にPVAQによる調査を実施した.実験2では痛みなし群10名,痛みあり群10名、慢性疼痛群10名に対して,体性感覚誘発電位とPPIを記録した.
  • 結果:実験1においてアスリートでは一般大学生に比べてPVAQの値が高いことが示唆された.実験2において痛みあり群と慢性疼痛群のSEPは痛みなし群に比べて低い傾向を認めた.また,痛みあり群と慢性疼痛群のPPIも痛みなし群に比べて低い(脱抑制)傾向を認めた.
  • 結論:アスリートでは痛みに対する選択的注意機能が高く,特に痛みを持つアスリートにおいてはSEPやPPIが低下していることが示唆された.

 

【文献抄読】

担当:宮口

タイトル:Off-line effects of alpha-frequency transcranial alternating current stimulation on a visuomotor learning task

出典:Harada et al., Brain & Behavior, 2019

  • 目的:M1へのα-tACSおよびβ-tACS介入が運動スキルおよび運動学習に及ぼす影響を明らかにすること.
  • 方法:対象は右利き健常者33名であった.運動学習課題には,右手の視覚運動調節課題を用いた.tACSは,左一次運動野および右眼窩上部に電極を貼付し,運動練習後に1.0 mAにて10分間介入した.刺激周波数は,10 Hzと20 Hzとした.またtACS介入後に再度運動学習課題を実施した.
  • 結果:α-tACS介入群は,コントロール条件に比べ,介入後の運動スキルが増大した.しかし介入後の運動学習効率には影響を与えなかった.
  • 結論:M1へのα-tACS介入によって運動スキルが向上することが示唆された.