非予測下な着地動作ではCAIとCoperで下肢運動戦略が異なることを解明!

渡部貴也さん(理学療法学分野,バイオメカニクスLab,運動機能医科学研究所)と高林知也助教(理学療法学科、バイオメカニクスLab、運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際誌に掲載されました!

 

非予測下な着地動作ではCAIとCoperで下肢運動戦略が異なることを解明!

~足関節捻挫の再発メカニズム解明に向けた研究~

 

研究内容の概要】

足関節内反捻挫は発生頻度・再発率が高いスポーツ外傷であり、約20%がその後遺症である慢性足関節不安定症(CAI)を生じると報告されています。CAIは足関節捻挫を繰り返すことにより、変形性足関節症の発症リスクが高まることが報告されているため、CAIの予防・治療法の確立が重要となります。そのため、足関節捻挫の再発メカニズムを明らかにすることは重要であり、初回内反捻挫後に再発や慢性後遺症を生じないcoper群が近年注目されています。

そこで本研究では足関節捻挫の受傷機転である非予測的な着地からのカッティング動作に着目し、CAI群・coper群・健常群の運動制御戦略と下肢の筋活動を比較・検討しました。

その結果、coper群は股関節戦略が異なることや長腓骨筋反応時間が短いことが明らかとなりました。本研究は「Journal of Electromyography and Kinesiology」に掲載予定です.

 

【研究者からのコメント】

本研究結果からcoper群は非予測的な着地からのカッティング動作において、股関節戦略が異なることや長腓骨筋反応時間が短いことが明らかになりました。今後は、足関節だけではなく近位関節の運動機能や筋機能を評価し,下肢全体に対するリハビリテーション介入を行うことが,足関節捻挫の再受傷を予防するために重要である可能性が考えられます。

 

本研究成果のポイント:

① Coper群と健常群の股関節角度の違いを明らかにした点.

 

② CAI群・coper群・健常群の長腓骨筋反応時間の違いを明らかにした点.

 

原著論文情報:

Takaya Watabe, Tomoya Takabayashi, Yuta Tokunaga, Takuma Yoshida and Masayoshi Kubo. Copers adopt an altered movement pattern compared to individuals with chronic ankle instability and control groups in unexpected single-leg landing and cutting task. Journal of Electromyography and Kinesiology. 2021.2 [accepted].