8/23 勉強会

【研究報告】

担当:大槻

タイトル:扁桃体中心核の電気刺激によって誘生じる島皮質神経活動の電気生理学的特徴-脳卒中後疼痛モデル動物を対象にした研究-

  • 背景:脳卒中後疼痛モデル動物が異痛症を呈している時には,島皮質と扁桃体の神経活動が亢進している.先行研究では,島皮質の神経活動を抑制すると異痛症が改善することが明らかになっている.扁桃体の亜核の中で中心核は痛み―情動に重要な核であり,島皮質への機能的結合が存在するため,この扁桃体中心核―島皮質経路の神経活動の可塑的変化が異痛症に関与する可能性がある.
  • 目的:脳卒中後疼痛モデルラットにおいて,扁桃体中心核-島皮質経路の神経活動の変化を電気生理学的手法を用いて明らかにする.
  • 方法:実験動物は雄性Wister rat,雄性Sprague-Dawley ratを用いた.対象をIntact群,脳卒中後疼痛モデル群の2群に分けた.脳卒中後疼痛モデルは左視床後外側腹側核にマイクロシリンジを刺入し,コラーゲナーゼタイプⅣを投与して作成した.痛み行動評価はvon Frey filament testを行い、損傷前,損傷後経時的に計測した.電気生理記録は,麻酔下にて扁桃体中心核を同心円電極で刺激して,島皮質から記録を行った.
  • 結果:脳卒中後疼痛モデル動物はモデル作成から5週以降に異痛症様の行動を呈した.電気生理記録の結果,脳卒中後疼痛モデル群は健常群と比べて,神経活動の振幅が高値を示した.
  • 結論:扁桃体中心核-島皮質経路の神経活動の増加が,異痛症に関与する可能性が示唆された.

 

【文献抄読】

担当:平林

タイトル:下肢の運動イメージ(MI)中の脊髄相反性抑制の変化

出典:

  • 目的:足関節運動のMIによってRIに及ぼす影響を明らかにすることした.
  • 方法:実験を2つ実施し,実験1は,足関節の動きの方向の違うMIがRIに与える影響を検討した.実験2は,足関節底背屈MIの練習がRIに与える影響を検討した.
  • 結果:実験1では,TAからSolに対するRIは底屈動作MIによって減少した.実験2では,MI練習後の背屈動作MI中にD1抑制が増強した.
  • 結論:下肢のMI中のRI変化は,足関節の運動方向によるMIに応じてRIが変化した.