2/21 勉強会

【研究報告】

担当:中村

タイトル:高強度ストレッチングの有用性の検討

  • 目的:今回は,運動療法で用いる事が多いストレッチングおいて強度,特に小強度ストレッチングが関節可動域,筋スティフネスに及ぼす影響を検討したので報告する(Nakamura et al., Front Physiol. 2021, J Biomech. 2022).
  • 方法:健常成人男性を対象に0(全く痛くない)~10(これまで経験した中で最も痛い)の11段階で6-7程度の高強度ストレッチングを行う群と通常の強度で行う通常強度群にランダムに群訳を行った.両群ともに利き足側を対象に60秒×3回を週3回,4週間実施し,介入前後に両足の関節可動域および筋スティフネスを測定した.
  • 結果:介入側に関して,両群ともに関節可動域は増加し,筋スティフネスは有意に減少した.加えて,関節可動域と筋スティフネスの変化率においては,高強度ストレッチング群が通常強度ストレッチング群と比較して有意に大きな変化を示した.加えて,非介入側に関しては,高強度ストレッチング群のみ有意に関節可動域が増加した.
  • 結論:ストレッチングにおける変化に関して,強度を高めることがストレッチング効果を増大させる可能性が示された.

 

【文献抄読】

担当:吉田

タイトル:Effects of different resistance training frequencies on body composition and muscular performance adaptations in men.

出典:Arazi et al., PeerJ. 2021 Apr 21;9:e10537. doi: 10.7717/peerj.10537. PMID: 33976952; PMCID: PMC8067909.

  • 目的:週当たりのトレーニングボリュームを同程度にした条件でのトレーニング介入の頻度による筋力増強および筋肥大効果の検討
  • 方法:対象は少なくとも2年間のトレーニング歴のある健常成人男性35名とした.8週間のベンチプレス,アームカール,レッグプレスのトレーニング介入における1RM,周径の増加を測定項目として,介入を行った.
  • 結果:週2回群および週4回群の介入前後において,両群ともに胸囲,大腿周径に有意な増加が認められた.また,筋力に関してはベンチプレス,アームカール,レッグプレスの1RMにおいても両群ともに有意な増加が認められた.ベンチプレス,アームカールに関しては週2回群よりも週4回群において大きな増加が認められた.
  • 結論:トレーニングボリュームを同程度にした場合の筋肥大効果は週当たりの頻度を変えなくても生じるが,上肢の筋力増強効果は頻度を増やした方が良いことが示唆された.